オストメイトとは?:多目的トイレ・オストメイト対応トイレ
様々な病気や障害などが原因で、腹壁に造られた便や尿の排泄口のことを「人工肛門・人工膀胱」といい、「人工肛門・人工膀胱」のことを総称して「ストーマ」といいます。
またその「ストーマ」を造設する手術のことを「オストミー手術」といい、「ストーマ」を持っている人のことを「オストメイト」と呼びます。
「ストーマ」は、ギリシャ語で「口」を意味し、転じて「手術によって腹壁に造られた排泄口」を指します。「ストーマ」には、消化管ストーマと尿路ストーマがあります。
ストーマは、肛門や尿道口のように括約筋がないため、排泄を我慢することはできません。そのため、「ストーマ装具」を用いて排泄の管理を行います。
次に簡単に「ストーマ装具」について説明します。
「ストーマ装具」は面板とパウチからできています。
面板はストーマ周囲の皮膚に粘着する皮膚保護剤の着いた板状のものをいいます。パウチは面板に接着し、ストーマからの排泄を受ける袋です。
写真のトイレですが、便器のわきにシャワー状の水栓が付いています。このシャワー状の水栓は、実はオストメイトの方が使用する水栓で、「尿瓶(しびん)洗い」を流用した簡易的な設備です。
何に使用するかといいますと、排泄物の溜まった「パウチ」を交換する際に使用済みの「パウチ」を廃棄する際に「パウチ」の中を洗うのに使用します。汚れたパウチをそのままごみ箱に捨てるわけにもいきません。
洗う前にはパウチの中の排泄物を便器の中に捨ててから洗うことになります。
また、ストーマ周囲を清潔にする際にも使用します。
実は、今回のこの多目的トイレ:オストメイト対応トイレは、「ある事情」から、かなり中途半端な「多目的トイレの設備」となっています。
ピクトサインでは表示してありますが、実際は、「車椅子利用者が単独でトイレを利用できない」、「視覚障害者のための点字ブロックを敷設しない」、「オストメイト用の専用流しを設けない」などで、最終的には横浜市の「指定施設新設等事前協議」の上「不適合」の「証明書」を交付してもらい、許可を受けることになります。
下記に、TOTOのWEBからダウンロードした、本格的な多機能トイレ:オストメイト対応トイレの写真を参考に添付します。
左側のシンクがオストメイト専用の流しです。本来はこうした設備が求められています。