リノベーション工事の難易度最高レベル?「ルーフドレン交換」
今回は屋上の「ルーフドレン」の交換についてお話します。
「ルーフドレン」というのは、屋上やバルコニーの降雨の際、外部の竪樋に接続し雨水を流す役目をします。
上は、「横引きルーフドレン」
上は、縦引きルーフドレン
建物の屋根の「片流れ屋根」や「切妻(きりづま)屋根」、「寄棟(よせむね)屋根」は屋根勾配が「3寸勾配、4寸勾配」などと言って、3/10や4/10の勾配になっていますが、屋上やバルコニー、陸屋根(ろくやね)の場合は水の流れる勾配(=水勾配)は1/100から1/200程度とほとんどフラットに近い傾きになっています。
周囲に立ち上がりの無いほぼフラットな「陸屋根(ろくやね)」の場合は「縦引きルーフドレン」を設置し、手すりや「パラペット」と呼ばれる立ち上がりのある場合は「横引きルーフドレン」を使用するケースが多いと言えます。
ルーフドレンの管径と個数は、屋根面積と建物のある地域の「過去の1時間最大降水量」から算出して、割りだします。
この計算式については、次回以降に紹介します。
その1時間当たりの最大降水量は気象庁のサイトに発表があり、例えば横浜の1時間最大降水量は、気象庁が1937年の統計開始以来、観測史上1位の値は1998年7月30日に観測された92.0mmとなっています。
ちなみに神奈川県では、2012年7月14日に丹沢湖で観測された104.5mmというのが最大です。
台風の進路情報でよく名前の挙がる高知県の室戸岬では、2006年11月26日の149.0mmが最大となっています。国内では100mmを越える記録が観測された地域は、あまりありません。
とは言え、皆さんの身近に存在する道路の排水は50mm/1時間で設計されていますが、ゲリラ的な豪雨の際に、地中の雨水排水管のキャパシティを越えてマンホールから雨水が噴き出すなんて言うことも最近テレビのニュースで目にしますね。
実はタイトルの「ルーフドレン交換」とインターネットで検索すると、「改修ドレン(または鉛ドレン)に依る改修」がヒットしますが、既存のルーフドレンを防水改修工事の際に交換したという施工例は皆無と言って良いくらいありません。
上は「改修ドレン(鉛ドレン)
既存の古いドレンの管に改修ドレンのジャバラ管を挿入し、本体に鉛の板の部分をかぶせて使います。
上は当社の施工例の既存の「横引きドレン」に勾配モルタルを施工した写真
上は当社の施工例の「改修ドレン」を施工した写真
GoogleやYahooで「ルーフドレン交換」「屋上ドレン交換」といくら検索しても、ルーフドレンのメーカーのサイトでさえ「改修ドレン(鉛ドレン)」の紹介しかヒットしないところを見ると、上記の写真のような改修ドレン(鉛ドレン)に依る改修工事が通常の施工方法で、ルーフドレンからルーフドレンに交換する、「ルーフドレン交換」工事はしないということなのでしょうか?
次回以降は、当社がこの難易度の高い?「ルーフドレン交換工事」にチャレンジした様子をアップして行こうと思います。
リノベーション工事の難易度最高レベル?「ルーフドレン交換」 -実施編-は、6月21日のブログをご覧ください。