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耐震と制震:地震に強い家へ

社長ブログ,新築,増改築,耐震,リノベーション,インテリア,戸建て,リフォーム 2021年08月17日

このブログでも数度にわたりご紹介している、地震に強い家を創るための「耐震」と「制震」。

まず、建築基準法による基準は、建築基準法施行令第 88 条第 1 項に「その地方における過去の地震の記録に基づく震害の程度及び地震活動の状況その他地震の性状に応じて 1.0 から 0.7 までの範囲内において国土交通大臣が定める数値」と規定されており、日本国内の地域により異なっています。

 

出典:静岡県環境部

 

上のパンフレットは静岡県が発行しているもので、建築基準法で規定する地震地域係数の数値を大まかに日本地図に落としたものです。

東日本の太平洋側の建築基準法上の耐震基準の数値を1.0とすると北海道や四国、九州などは0.9や0.8になっています。

極端な言い方をすれば、「関東地方の家よりも九州、四国、中国地方などは地震が少ないので、10%から20%弱く作っても良いですよ!」という事です。

ところが静岡県は南海トラフの地震が迫っていると想定されているので、建築基準法で地震地域係数は1.0ですが、県条例により独自の基準を定め、地震地域係数「Zs」の値を「1.2」としています。

これは静岡県内で新築する際は「1.2倍強く作ってください。」と義務化しています。

 

当社は木造住宅の新築や耐震を目的としたリフォームの場合、1.2倍以上、できれば1.5倍の「耐震等級3」に匹敵する基準をクリアするように計画させていただいており、繰り返す本震と余震に耐えうる「地震に強い家」を実現するための「耐震計画」「耐震設計」「耐震リフォーム」を心がけています。

 

さらに、繰り返す揺れに耐えうるためには、「耐震プラス制震」の提案をさせていただきます。

この「制震」で当社が推奨するのは「制震ダンパー」を採用することです。

「制震ダンパー」はコンパクトなため、新築時はもちろんの事、リフォーム時においても取り付け可能となっており、計算上は建物の変形を40㌫以上軽減させ、繰り返す地震の揺れから建物が損壊するのを軽減させます。

 

 

写真はトキワシステム(株)の「αダンパー ExⅡ」

 

 

先日、横浜市港北区の3階建て木造住宅のリフォームにおいて、1階部分と2階部分にそれぞれ12本ずつ、合計24本の制震ダンパー「αダンパー ExⅡ」の取り付けをさせていただきました。

ある程度の揺れ以上になってから初めて効果を発揮するタイプの「硬質ゴムや金属の変形により揺れのエネルギーを熱の変換して制震する装置」とは異なり、制震ダンパーの特性上、初期の揺れからエネルギーを吸収する効果があるのも特徴です。

この今回のリフォームは、計算上は結果的に耐震等級を1から2に上げる効果をもたらしています。

余談ですが、この港北区の建物は「新幹線による交通振動」にも悩まされており、若干ですが「交通振動の軽減効果」ももたらせています。