マンション大規模修繕について:「香港の高層住宅群火災」に見る他国の建築工事用足場と日本の建築工事用足場の実際
社長ブログ,新築,増改築,耐震,リノベーション,マンション大規模修繕,マンション,戸建て,クリニック,店舗,リフォーム 2025年12月02日
11月26日に発生した香港の高層住宅群の火災では8棟ある高層住宅の内7棟の建物及び人的に多大なる被害が発生しました。
火災の発生原因と延焼した原因については調査が待たれるところでしょうが、驚かされるのは相当な勢いで火災が広がっていったという事です。
テレビ報道のニュース画像を見ると、修繕工事用の足場とそれに張られた転落防止、飛散防止用のネットシート・メッシュシートが延焼して崩れて行くシーンです。
驚くのは作業用の工事用足場が竹製という事でした。私は設計業と建設業に携わって48年ほどになりますが、竹製の工事足場は日本では見たことがありません。
当社の経歴にも書いてありますが、私は父が戦後興した建設業を営む家に生まれ育ちました。小学生のころまでは我が家の庭の一角に足場用の丸太とコンクリート打設用の型枠が積みあがっていました。
私が設計事務所勤務を経て入社した父の会社は、主に大手重電機メーカー、照明器具メーカーの工場の建屋の新築や建屋の改修の建設工事と製造ラインの機械基礎をつくる土木工事、出来上がった新しい製造ラインの基礎へ機械を搬入する重量運搬等の仕事をしていました。時には建築と土木の工事だけでなく、その電機メーカーの依頼で東日本各地の変電所の機器類の劣化調査をするのですが、何万ボルトという電気が走る近くでの作業の為、金属類が使えないので丸太と綿ロープで足場を組む仕事の現場管理をしたことと、古くは木造住宅の工事用の足場で丸太足場は使われていました。
さて、少し遠回りしましたが、今日のテーマの紹介が遅くなりましたが、今日のブログテーマは工事足場についてです。
大まかに建築工事用の足場を分けると下記のようになります。
丸太足場
杉や檜の直径15センチほどの間伐材を番線(ばんせん)という鉄線をシノという道具で縦横に緊結する足場。
単管足場
直径48.6mmの鉄製パイプとクランプと呼ばれる緊結金具で縦横に繋ぎ、ブラケットと作業床により比較的安全に作業できる足場。
ブラケットと作業床を使用せずに単管を横にダブルにクランプで取り付ける場合もありますが、この場合は多少安全性に問題はあります。
民間の低層の住宅の塗装現場などではよく使用されています。最近では次に紹介する「くさび式緊結足場」に代わってきています。
くさび緊結式足場(通称ビケ足場)
単管に角型の突起の付いた建地(柱)に両端にくさびの付いた金具をハンマーで打ち込み、部材通しを繋げる形式の足場です。
組み立てと解体の時間が短縮されるので、広く普及しています。ブラケットを取り付け作業床を乗せることにより、作業の安全性を確保しています。
ビケ足場のビケとはこの足場を1980年に開発した第三機工商会(現在の株式会社ダイサン)が建築現場を美しく整えるという事で「美形」から名付けたといわれています。
株式会社ダイサンの持つ「くさび式緊結足場」の特許が切れたため、色々な会社から同様の「くさび緊結式足場:ビケ足場」が発売されていますが、現場ではメーカにかかわらず「ビケ足場」という名が普及しています。
各階層の作業床への昇降には階段や梯子を使用します。
「単管足場」や次に紹介する「枠組み足場」に比べて、揺れが多いのがデメリットと言えます。

枠組み足場(ビティ足場・ビデ足場)
全て鉄製の部材でできており、鳥居型のフレームをブレースと呼ばれるX状の筋交いで補強し、作業床を乗せることで安全に作業しやすく、高層の建築物に使用可能な足場。
私は現場で足場に登ることが多いのですが、枠組み足場が一番安心できます。
マンションの大規模修繕などの高層建築に使えるこの枠組み足場は、作業も安全に確実にできます。
各階層への昇降も階段を設置しますので安心安全です。

転落防止・飛散防止用のネットシート、メッシュシート
次に香港の高層住宅で延焼の原因になったものに、メッシュシートが挙げられると思います。
メッシュシートには「防炎タイプ」のものと「非防炎タイプ」のものがありますが、高層の作業や火を使う現場や他の建物に近接している場合などでは防炎のメッシュシートを張ることが義務付けられています。
その他、低層の現場や現場周囲に広い空間がある場合は「非防炎のメッシュシート」を張る場合もありますが、今回の香港の現場は高層ですので「防炎メッシュシート」が必須でしょう。
今回の高層住宅の火災では、使用していた建材にも問題があったようですが、竹の足場と相まって非防炎のシートが火災を広げたと言えると思います。
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