木造住宅のバルコニー・ベランダ防水改修
先日、依頼のあった木造住宅の2階のバルコニーの防水改修の施工例です。
ウレタン塗布防水の表面がかなり状態の悪いまま放置していて、さらに悪いことに、お客様の知人の紹介の屋根工事業者が、屋根下地のアスファルトルーフィングを張り付けて、ぼろぼろの状態でした。
熱を持って、さらにウレタン塗布防水の表面の劣化を速めたようにも見受けられました。
幸いなことに水勾配は十分とれているので、表面に12mmの耐水合板を2層張りして補強しました。
立ち上げ部分もFRP防水層を形成する下地に、12mm耐水合板を1層張りして下地が完成。
用心のためにビニールシートにて、仮に雨が侵入しないように養生しましたが、案の定天気予報通り、翌日は1日雨が降り、少し心配しましたが、何事もなく次の防水の工程へと進める準備をします。
今回の防水は、FRP防水で計画しましたが、FRPとは繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)の略称で、ガラス繊維などの強化材(補強材)で補強されたプラスチック、という意味です。
FRPは強度・耐水性・成型性が優れているなど、数々の優れた特性を持っていることから、船舶、水槽、池、浴槽、波板、自動車などのボディ、屋根材等として広く使用されている素材です。
FRP防水は、上記のような優れたFRPの特性を防水分野に応用したものであり、形成された防水層は軽量かつ強靭、耐熱性・耐食性・耐候性などに優れているという特長があります。
FRP防水は、ガラス繊維などのネット状の補強材に、硬化剤を加えて混合した液状の不飽和ポリエステル樹脂を数層にわたり塗布し、一体にした塗膜防水です。
従って出来上がった防水層は、継ぎ目のないシームレス構造で、優れた防水性能を発揮します。
簡単に言うと、浴槽の大きなものをバルコニーに現場で作るようなイメージです。
※ちょっとした雑学ですが、話のネタにお使いください。
ちなみに、バルコニーとベランダの違いは、単純に屋根のない屋外に突き出したものをバルコニーと言い、屋根がついているものをベランダと言います。