今日9月1日は防災の日_長周期振動と短周期振動
今日9月1日は「防災の日」です。
1923年(大正12年)9月1日11時58分32秒、南関東および隣接地で大きな被害をもたらした関東大震災が発生しました。
この地震では、死者・行方不明者は推定10万5,000人という大変な被害をもたらしました。
地震大国、日本では近い将来懸念される地震としては南海トラフを震源とする地震と首都圏直下型地震が挙げられます。
今日は地震の際に発生する地震動の【長周期振動】と【短周期振動】についてお話します。
【長周期振動】
地震が起きると様々な周期を持つ揺れ(地震動)が発生します。
近い将来起きる可能性の高い南海トラフ地震のような規模の大きい地震では、周期の長いゆっくりとした大きな揺れ(地震動)が生じます。
このような地震動のことを長周期地震動といいます。
建物には固有の揺れやすい周期(固有周期)があり、地震波の周期と建物の固有周期が一致すると共振して、建物が大きく揺れます。
建物はその高さや強さにより固有の周期を持っており、高層ビルの固有周期は低い建物の周期に比べると長いため、長周期の地震波と「共振」しやすく、共振すると高層ビルは長時間にわたり大きく揺れます。
高層階の方がより大きく揺れる傾向があります。
長周期地震動により高層ビルが大きく長く揺れることで、固定されていない家具や事務機器、書棚やロッカーなどの什器が大きく移動する場合があります。
【短周期振動}
直下型地震の際に発生する短周期地震動は長周期地震動とは反対に、「1秒以下~数秒と短く小刻みな揺れの周期」が特徴です。
短周期振動の揺れは、固い地盤ほど揺れが伝わり、高層階などの建物より「中層階や家屋が被害を受けやすい」特徴があります。
この場合、低層の建物ほど短周期地震動と共振しやすく、特に一般住宅などに多い木造住宅が損壊するなどの被害が大きくなるのです。
短周期地震動の中でも1~2秒周期の地震動は「キラーパルス」と呼ばれています。このキラーパルスは、木造家屋などにダメージをあたえやすいのです。
次のブログは、木造住宅の耐震補強についてお話しする予定です。