耐震基準:旧耐震と新耐震と新・新耐震
建築基準法に定められている耐震基準は下記のように改正されて来ています。
旧耐震基準
1950年(昭和25年) 建築基準法制定
⇒震度5程度までの地震で修復可能、倒壊無し
1959年(昭和34年) 建築基準法施行令改正
1978年(昭和53年) 宮城県沖地震
新耐震基準
1981年(昭和56年) 建築基準法施行令大改正
⇒震度6強~7の大規模地震で倒壊なし、震度5強程度までの中規模地震で軽度なひび割れ程度
1995年(昭和60年) 阪神・淡路大震災
新・新耐震基準
2000年(平成12年) 建築基準法改正
⇒新耐震基準に加え、地盤調査の実施・接合部の金物使用・耐力壁バランス
2011年(平成23年) 東日本大震災
2016年(平成28年) 熊本地震
2023年(令和 6年) 能登半島沖地震
1981年(昭和56年)に「新耐震基準」に改正されたのは、1978年(昭和53年)に発生した宮城県沖地震による被害がきっかけです。
この地震は震度5でしたが、現在の仙台市域だけでも住宅の全半壊が約4,400戸、一部損壊が約86,000戸、死者十数名と重軽傷者数は10,000人以上にも及ぶ多大な被害が生じました。
そのため震度6から7程度の地震でも倒壊しないような耐震基準が定められ、「新耐震基準」が設けられました。
2000年(平成12年)に改正された「新・新耐震基準(2000年基準ともいわれています)」は、1995年(昭和60年)に発生した阪神淡路大震災により、1981年(昭和56年)の新耐震基準で建設された多くの木造住宅が倒壊したことをきっかけに、新耐震基準の弱点を強化するために、主として木造住宅をメインターゲットに、地盤調査の実施・接合部の金物使用・耐力壁バランスを求める改正をしました。
地盤の耐力に応じた基礎構造(地盤調査により、ベタ基礎や地盤改良、杭基礎の決定)とすることや、筋交い金物や柱頭柱脚(ちゅうとうちゅうきゃく)接合金物(ホールダウン金物)の使用の規定、耐震壁の配置バランス、偏心率などの規定を示しました。
建物の重心や剛心のズレの大きさを表す偏心率は、できるだけ小さくして地震の際の建物へのねじれを少なくし、建物のバランスを保つことが求められます。
2016年(平成28年)の熊本地震においては、新・新耐震基準の木造住宅の被害は多くはありませんでしたが、新・新耐震基準で建設された住宅でも被害が発生した住宅がありました。
それは、柱や壁の配置が1階と2階でずれている(直下率が低い)住宅でした。基準法には記載はありませんが、近年注目されている設計の際にできるだけ直下率を高めるレイアウトをすることも大事となっています。
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