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建築設計図書製本:観音クルミ製本と観音クロス巻き製本

社長ブログ,新築,増改築,耐震,リノベーション,戸建て,二世帯,ガレージ,バリアフリー,リフォーム 2024年10月18日

今日のプログテーマも少し趣を変えて書こうと思います。

リフォームではそれほど図面点数は多くないので製本をすることは少ないのですが、新築の建物の場合は住宅でもある程度設計の図面点数が多いので、施工現場でも図面がばらばらにならないように製本することもあります。

 

新築の住宅やビルなどの場合、完成後に図面を保存する方法として、完成図書として長く保管できるように、図面を特殊な折り方をしてハードカバーを付け厚い本のように製本する方法と2つ折りにして観音開きで見えるようにする製本の方法があります。

背表紙と表紙に金文字で「〇〇ビル新築工事 〇〇建設株式会社」などと刻印される場合が多いですね。

 

観音開きの製本図面は、施工現場でも使われており、現場監督はこの図面を見ながら施工管理することも多いですし、完成引き渡し後に同じように観音開きの製本をしてお施主様にお渡しすることも多いです。

 

今回取り上げるテーマは、他社ですでにホームインスペクション・耐震診断をされた2x4の2階建て(地階がRC造)の耐震補強を含めたリフォーム・リノベーションのご相談で、現地に伺ってヒアリングした際に、お預かりした設計図書の製本のお話しです。

 

通常のケースですと図面がある場合は見せていただき、コピーなり写真に撮って後で確認することも多いのですが、今回は複雑なグリッド寸法の建物でしたので、ありがたいことに製本された完成図書をお預かりすることになりました。

この製本図書はA2サイズの青図(青写真)の図面を二つ折りにして、折った背の部分と両端を糊付けし、エンボス模様のダイヤボードという厚紙で背表紙まで一体型にくるんだ「観音クルミ製本」をした図面です。

ところが中間のページとはじめの数ページと終わりの数ページが背表紙からはがれ、3つに分かれていました。おまけに一度どなたかが修復した跡があり、その際に硬い糊で背部分を糊付けしたようで、糊が固着し、ページに変な癖がついています。

 

 

お施主様の了解を得て、製本しなおすことにしました。ページを少しばらして再度専用の糊で糊付けし、当初の製本時の原状に戻す修復方法をとることにしました。

しかし厄介なのは前回直したときに使われたと思われる硬く固まっている糊です。仕方がないので、図面を傷つけないように硬い糊をサンドペーパーで少しずつ削り落とすことにしました。

紙に傷つけないように糊のみ削っていきますが、図面を傷つける危険もあるので、ある程度のところで削るのをやめて修復作業にかかります。

 

斜めについた背表紙の癖を直しながら、できるだけ丁寧にページを揃えクリップで固定。

 

 

背表紙部分には、固まっても硬くならない「製本のり」を使用。

背表紙に補強のためにコピー用紙を細く切って糊付けします。

半日ほど放置し、糊が乾燥したところでクリップを外し、背表紙のところに製本テープを張って完成。いわゆる「観音クロス巻き製本」にしました。

 

 

 

付いた癖が完全には直らず少し残っていますが、自己採点では85点の出来でしょうか?

 

あとはリフォーム計画と耐震補強の計算に必要なページをコピーさせていただき、プランニングとお見積書提出の際に製本をお返しします。