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マンションリフォームの注意点:床の構造と水廻り① 1960年代~1980年代

社長ブログ,リノベーション,マンション大規模修繕,水廻り,リフォーム 2024年10月26日

今日からブログのテーマを連続して同じ話題で続けようと思います。

マンションを購入したり、長年生活していて、専有部分をリフォームを考えていらっしゃる方のために、リフォームをする上での注意点をお話しして行こうと思います。

 

長文になってしまいますので、2回に分けてお話しして行こうと思います。

今日のテーマは、「マンションリフォームの注意点:床の構造と水廻り① 1960年代~1980年代」です。

 

マンションで生活するにあたり、特に建築した年代が古いマンションにおいては、その床の構造上、騒音のトラブルが頻繁に発生するという話があり、そのトラブルが刑事事件になることも少なくありません。

また水廻りの配管についても漏水が発生しやすい鉄管を使用していたりして漏水事故が多く発生しています。

 

今日は分譲のマンションが建ち始めたころの1960年代から1980年代の特徴を年代を追って、主として床の構造の変遷と水回り機器の変化についてお話しします。

今後リフォーム・リノベーションをお考えの居住者の方や購入をお考えの方の参考になれば幸いです。

 

リフォーム会社の営業マンや一部のデザイナー、インテリアコーディネーター、建築士においても知識不足の方もいらっしゃるので、啓発の意味も含めております。

 

****年代別マンションの特徴****

●1960年代後半~1970年代半ば

1960年代後半から1970年代に旧住宅金融公庫(現:住宅金融支援機構)の融資制度ができ、分譲の集合住宅(以下マンションと表記)の普及が進む。

 

このころのマンションの設計のトレンドは、旧公団や公社が建てたものが多く、5階建てでエレベーターがなく、広さは40~50㎡で間取りは和室を中心とした3LDKが多くみられる。

床の構造の多くは、コンクリートスラブの上に「転ばし根太」といわれる、木材をコンクリートスラブ(コンクリートの床版)にアンカーボルトで止め、モルタル(砂・セメント・水を混錬したもの)や木片で高さ調整と固定をした上に、12mm程度の合板を下地にして、和室は畳、洋室やDKはフローリング仕上げ、または合板を省いて直接フローリング仕上げにしている。天井はコンクリート直かに砂状の吹付仕上げが主流だった。

 

 

70年代半ばまでの旧公団型の集合住宅の特徴として、スラブと床仕上げの間の床下に給水管、排水管などを入れられるのが有利な点であるが、木造という事で防音の点で不利なことは明白で、さらに浴室は在来のタイル張りにバランス釜。浴室の排水は下階の天井裏に配管する設計になっていた。

また、キッチンの給湯は瞬間湯沸かし器が多くみられた。

 

 

●1970年代半ば~1980年代

1964年の東京オリンピックを控え、建設が進められていたホテルニューオータニで、内装工事を可能な限り省力化するためにFRP製のユニットバスが考案され、急ピッチで設置された。

 

住宅用のユニットバスが普及するのは、1970年代に入ってからで、合わせて、それまでのバランス釜から給湯器への転換でユニットバスへの給湯と、キッチンにも給湯されるようになる。

 

 

床の構造は、防音の問題から、下地を作らずコンクリートにニードルフェルトを敷き、グリッパー工法のカーペット敷きの仕上げが普及するようになる。

 

 

また、1981年の建築基準法の改正により、新耐震基準の設計によるマンションが建ち始める。

このころから防音に関する意識が少しずつ高まっていきます。

 

次回は1990年代に入り、新しい建材の普及とともに変わっていく床構造についてお話しできればと思います。