木造の建物の工法:在来軸組み工法と枠組み壁工法と金物方法の特徴とメリット・デメリットについて
今日は「住宅」やその他体育館や教会などの「非住宅」の木造の建物の工法についてお話ししようかと思います。
木造の工法(構法)は大きく分けて3つに分かれます。
- 在来軸組み工法
- 枠組み壁工法(2x4又は2x6)
- 金物工法
の3つの工法です。
1の在来軸組み工法は日本では一般的な105mm(3寸5分)や120mm(4寸)の断面の柱と梁、筋交いや構造用合板などで補強構成される工法。
2の枠組み壁工法は2インチx4インチあるいは2インチx6インチの長方形の断面を持つ輸入材を基本に構造用合板を金物と専用の釘で組み立てていく工法。
実際の断面は1インチ=25.4mmではなく、2x4の材料が50.8mmx101.6mmではなく38mmx89mmの規格寸法。2x6が50.8mmx152.4mmではなく、38mmx140mmの規格寸法となっています。
3の金物工法は筋交いや構造用合板を使用せずに、柱と梁の接合部を専用の金物で補強し、鉄骨造や鉄筋コンクリ―ト造の建物と同じような「ラーメン構造」の工法です。
それぞれメリットデメリットがあります。
「在来軸組み工法」では柱と梁の接合部(仕口)に断面欠損を強いることが構造的なデメリットとして挙げられます。
しかし乍ら、新々耐震基準になって、ホールダウン金物で補強したり、専用の仕口金物を使う工法で極力断面欠損をさせない仕口にすることにより欠点を補い、構造用合板を併用することにより地震に強い構造にすることが可能となっており、さらに制震ダンパーを付け加えることにより、「耐震+制震」の構造にすることにより、デメリットがほぼ解消されています。
また既存建物リフォームの際にも構造計算をすることにより、より強い構造でなおかつ比較的大空間を取れるようになり、改修しやすいところが逆にメリットとなっています。
「枠組み壁工法」はもともと地震などに対しては強いというメリットがありましたが、大きなスパンが飛ばせず、大空間が取れないというデメリットと、構造上開口部が小さく窓が少ない、下階と上階の壁の位置を揃える方が構造的に強いので、間取りに制約がある場合が多いのがデメリットとして挙げられます。
「金物工法」は大断面雄柱と梁を金物で接合するので大空間うを生かした大規模な住宅や施設、教会等の建築に適しているのがメリットですが、柱や梁の部材が大きくなること、専用の高価な金物を使用するので建築費が高くなることがデメリットですが、余計な壁がないので開口部が大きく取れて開放的な空間が実現できることと、「スケルトンインフィル」と言って構造体を残して間取りの変更がしやすく、改修がしやすいことがメリットとして挙げられます。
以上3つの工法の大まかな特徴とメリットデメリットを紹介させていただきましたが、何かご質問があればお答えしますので、どうぞお気軽に「ご相談フォーム」よりお寄せください。