マンション・集合住宅をリフォーム・リノベーションする際に注意する事
今日のテーマは、マンションにお住いの方でリフォーム・リノベーションをお考えだったり、新たに中古マンションを購入されてリフォーム・リノベーションをお考えの方へ、参考になればと思い、過去のブログの記事も引用しながらお話を進めたいと思います。
今日のテーマのマンションリフォーム・マンションリノベーションで注意する事は、前にもブログに何度か書かせていただき、また、湘南地区のマンションの管理組合の勉強会でも講師を務めさせていただいたときの資料をもとにお話しして行きます。
〇マンションの構造を知る
Q.マンションの構造についてご存じですか?
A.マンションなどの建築物の構造は、①鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、②鉄筋コンクリート造(RC造)、③鉄骨造(S造)などが主なものです。
今日のお話は、そういった建築物の構造躯体のお話ではなく、床の仕上げ材の下地の構造のお話です。
Q.床の構造にはどのようなものがありますか?
A.マンションなどの集合住宅は、その設計された年代により下地の構造にトレンド(流行、設計思想の変化)があります。
A.古い年代順におよその構造を説明してみましょう。
●1960年代後半~1970年代半ば
コンクリートスラブの上に「ころばし根太」という木の角材をコンクリートスラブ(床版)にアンカーボルト止め、あるいはモルタル固定して、その上に合板や木造用のフローリングを施工したものが多い時代です。
大引きという角材をコンクリートスラブに固定し、直交して根太を施工するものもあります。
公営の分譲あるいは賃貸の団地に多く見られ、同様の設計の民間の集合住宅も点在します。
間取としては和室が多く、ほとんどの場合55mm厚の藁床の畳が用いられます。洋間、リビングは木造用の12mmのフローリング仕上。キッチン(フローリングの場合もありますが)や水廻りはクッションフロア仕上です。
転ばし根太
●1970年代半ば~1980年代
このころになると、マンションの設計に新しい思想が入ってきます。
床は木造下地組+木造用フローリング仕上が防音性能が皆無の為、下階や斜め下の住居との騒音トラブルが発生して来ており、コンクリートスラブにニードルフェルトを敷きその上にカーペットを張るグリッパー工法が主流になってきます。
給水・排水・ガスなどを集中的に上下階でつなぐスペース=PS(パイプシャフト)を設け、併せて水廻りを集中させるレイアウトが主流になります。
このころ以降のマンションはいわゆるスケルトンリフォーム・リノベーションがしやすい間取りとなってきます。
天井は直仕上でなく、空間を設け、電気配線や排気のダクト配管もきれいに収まるようになります。
ニードルフェルト・グリッパー・カーペット
●1990年代
床は防音フローリングが普及し始め、カーペットのグリッパー工法の代わりにコンクリート直貼りの防音フローリングが普及し始めます。
リフォームの現場でも、グリッパー工法のカーペットから防音フローリングへの床リフォームに盛んに使用されるようになります。
但し、低い防音性能のフローリングを採用し、騒音トラブルになることもありました。
防音フローリング
●2000年代以降
このころになると高級なマンションも建設されるようになり、床仕上げも無垢のフローリングやタイル、石張りなどが採用されるようになります。
防音の必要性から、ボルト脚に防音のゴムを取り付けて、高さをアジャストできる万協フロアやフクビの防音プラ束などの二重床にして防音性能を確保し、床の仕上げ材の選択の幅が一気に増えました。

今日はマンションの床の構造を知っていただくための記事にしました。
騒音トラブルを防ぐために、マンションの管理規定の細則に使用材の規定を織り込む必要があります。
当社マンション事業部又は本社設計事務所のどちらでも構いませんので、どうぞお気軽にご相談ください。
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ご不明の点がありましたら、以前開催した湘南地区のマンション管理組合での講座の資料(私の手作りですが)もお送りしますのでお気軽にご相談ください。


